三頭山でヤマレコタイムに挑戦

今回はロングコースだ

計画

久しぶりにM君と山歩きを計画。雲取山での雪上歩きが忘れられないため、今回も雪山歩きをテーマとした。M君も自作した10本アイゼンを試しててみたいとのこと。相談の上、奥多摩湖から三頭山を登り、槇寄山経由で数馬に下りることにした。このルートの直近の記録(積雪時)をヤマレコで確認したら、投稿者の殆どは奥多摩発7時25分のバスに乗り、下山先の数馬で15時発のバスで帰っている。我々の体力だと多分この時間では下山できないので、1時間後のバスに乗ることになるだろう。ロングコースなので、それでも厳しいギリギリの計画だ。
奥多摩湖駅始発バスに間に合わせるため、自宅を5時前に出発。普段は使わない単線ローカル線を使い4回の乗換えを駆使。まさに松本清張「ゼロの焦点」の再現だ。途中でM君と合流し車中で今日の山行を確認。
深山橋を振り返る

登山開始

小菅行き始発バスは登山者もマバラ。車窓から見える三頭山は薄っすらと白くなっている。よし、これで雪山歩きが出来るだろう。奥多摩湖畔、深山橋バス停で下車し、登山口にとり付いたのは8時であった。登山者は我々だけ。奥多摩湖から三頭山へは昨年、ドラム缶橋を渡って登ったので(ヌガサス尾根)、今回はその隣の尾根(ムロクボ尾根)からアクセスすることにした。途中、で双方のルートはヌガサス山で合流しツネナキ坂を登り、三頭山に至る。もっとも気になるのは急坂ツネナキ坂の雪の状態だ。
モロクボ尾根から正面に見えるヌガサス山を目指す

登山開始直後、M君の携帯が鳴る。父上からの電話。プリンターの具合が悪いとのこと。止まってM君が父上に説明している間に私はアウターウェアーをザックにしまい、登りモードにする。このムロクボ尾根は広葉樹林のため、冬は日差しが明るい。冬の青空のもと、木々の間に見える遠くの尾根を眺めながらヌガサス山へ歩を進める。いいペースだ。最後の急登をロープを頼りに登るとヌガサス山。ヌガサス尾根ルートとの合流地点に至る。ほぼコースタイムで歩けたので、ここで小休止。今日のポイントは12時前後に三頭山に到着すること。これが無理な状態になったらコース変更も検討していたが、この時点での体調から、懸念はほぼ無くなったことを確信。さあ、今日の核心部、ツネナキ坂へいくぞ。
ヌガサス尾根との合流点

ツネ泣坂

昨年、ツネナキ坂の急登をロープを頼りに登ったが、今回は薄っすらと雪に覆われ、アイスバーン状態となっている。急坂のためツルツルとすべるのでやっかいだ。下手をすると坂の下まで滑り落ちてしまう。雪の急登でも、岩尾根と急坂とでは全く状況は異なる。岩尾根は段差に確実に足を置けるので滑り落ちることはない。アイスバーンの急坂を這うように、木の根、枝、ロープを頼りに慎重に足を運び、ようやく登りつめた。ここを登ってしまえばあとは山頂も近い。ますます今日の成功を確信する。
薄い雪面はカチカチに凍っている


ツネナキ坂を上ったところ。先行者二人とは下山先で同じバスに乗る。

アイゼン装着

ツネナキ坂を登ると、登山道は15センチほどの積雪状態。傾斜はゆるいためアイゼンを必要とするほどではない。しかし何のために我々は重いアイゼンを背負って登ってきたのか。ここでアイゼンを使わずして帰れるかと、何の異論もなく二人ともザックから10本アイゼンを出す。これ、目的と手段を入れ違える典型的な例だ。いつの間にか手段が目的となっている。
山頂手前の分岐点、ここでアイゼン装着
二人ともザクザクと嬉しそうにアイゼンの音を響かせ山頂を目指す。夏道と異なり、冬道は山頂まで一直線に延びている。夏道は山頂手前で尾根道へ、いったん大きくトラバースしている。このようなコース取りができるのも冬道の醍醐味だ。そのうち山頂手前の急登で、アイゼンが重い重いとM君の悲鳴。目的と手段の逆転の結果だ。自業自得。
山頂、ベンチはハイカーでいっぱい。

山頂、ランチ

山頂には11時50分に到着。数馬方面から登ってきたハイカー達でベンチは占領されている。皆、楽しそうにランチを取っている。これまでの厳しい登りとは別世界だ。ここでアイゼンをはずし、これ見よがしに手にぶら下げて歩き、近くの避難小屋を目指す。12時すぎ、避難小屋到着。今回はM君持参のクリームシチューでランチ。いつものジェットボイルで手早く暖め、食す。ランチを取りながら時間を暗算するとヤマレコのつわもの達がレポしている数馬発15時のバスにギリギリ間に合うかもしれないことが判明。よしやれるだけやってみよう、とのことで手早く支度を調え槙寄山に出発。
M君自慢のジェットボイルvs山専ボトル湯沸かし(私)。どちらが早いか。

ヤマレコタイムへダッシュ

槙寄山への尾根道は軽い下りの連続。キツイ、キツイと悲鳴を上げながら歩くこと1時間で槙寄山に到着。時計を見ると13時50分。15時のバスに間に合うことを確信。これまでヤマレコのタイムを「絶対にアリエナイ」などと揶揄していたが、そのヤマレコと同じ時間で歩けるとは。さあ、あとは数馬を目指していっきに下るだけ。「俺たちもヤマレコにアップしようか」などと軽口を交わしながら足早に下っていった。
槇寄山はドロドロ状態

石積みが続く数馬の部落





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