御前山から御岳まで、ロングルートに挑戦

標高差か距離か

登山のトレーニングにはいろいろあるが、とにかく山を歩くことが最適なトレーニングだと言われている。でもどうやって歩くかが大切だ。丹沢でよく見かけるのがボッカ訓練。とにかくザックを重くして大倉尾根を登っている。しかしこのボッカは年寄りには不向きだ。なにしろ膝の負担が大きすぎる。年寄りにはアプローチもよく、長い尾根道歩きということで、今回は奥多摩の御前山に登り、鋸山経由で下ることにした。そんな軽い気持ちで歩き始めてみたものの、、、。
自宅から登山口まで


早朝の電車

まずは奥多摩駅へ

自宅からほぼ2時間半超の所要時間。早朝の始電で最寄り駅を出発。土曜日早朝の電車は朝帰りの人も混ざる。私のように山の支度をしたもの、仕事に行くひと、など、格好をみれば判る人ばかりだ。さすが、奥多摩線に入ると乗客は山に行く人ばかり。それでもハイキングスタイルのひと、重装備のひと、トレランのひとなど様々だ。
朝の奥多摩駅

奥多摩駅に到着し、そのまま峰谷行きのバスに乗る。このバスの乗客は殆ど鷹巣山を目指す人たちだ。千本ツツジを見に行くのかな。私1人だけ途中の境橋で下りる。さあ、いよいよ御前山だ。ふだんはこのバス停で何人か降りるのだが、今日は私1人だけ。その理由は後で知ることになる。
境橋バス停より御前山を見上げる


通行止め

私の選んだルートは栃寄沢コース。まずは川沿いの林道をテクテクと歩く。すぐに登山口が見えるはずだ。と思いながら歩いていると、あったあった。道標が見える。あれが登山口だろう。と思って近づくとなんと「通行止め」と書いてあり、入り口はロープが張られている。理由は伐採作業のためとある。そんなあ!声を出してしまった。だからあのバス停で下りたのは私1人だったのだ。よく調べずにこのルートを選択したことを悔いる。しかし、いまからルートを変えるのは不可能に近い。こうなったら仕方がない。通行止めのロープをくぐって登山道に入ることにした。伐採現場で通してくれなかったらあきらめよう。
栃寄沢沿いの登山道を歩く


沢沿いの登山道をどんどんと登っていく。しかし伐採作業の音は聞こえない。しずかな登山道だ。やがて大きく「伐採作業中」との看板。それでも音は聞こえない。歩を進めていくと急に視界が開ける。伐採現場だ。斜面の木々はすべて切り倒され、露な姿をさらしている。だが、作業をしている気配は全くない。この様子だと今日は作業をしていないみたいだ。これで安心。堂々と通り抜ける。とにかく入ってきてよかった。あとはひたすら御前山を目指すだけだ。
御前山避難小屋、左奥に水場がある


御前山

登山道はやがてまた林道と合流する。しかし車は来ないしだれも歩いていない。あとは「登山道」の標識に従って、御前山を目指す。広葉樹林帯のなか、単調な登りだ。やがて視界に避難小屋が見えてきた。今日始めての登山者とであう。避難小屋の裏には湧水が。山頂直下であるため、気分も楽になり、美味しく飲ませてもらう。やがて登山道は尾根道と合流し、いっきに山頂に達した。時刻は11時。ほぼコースタイムと同じだ。山頂は見晴は殆どない。
御前山山頂、なにも見えない


鋸山へ

御前山では沢山の人が休んでいた。やはりメジャーな山だけある。これからはこの人々と共に歩くことになる。まだランチタイムまでは時間がある。休憩もそこそこに鋸山を目指す。その先はどうするか、鋸山で決めればいい。木々に囲まれた尾根道を鋸山へ。長い下りだ。これまでの静かな登山道から一変して多くの登山者とすれちがう。見通しはないので、ただただ歩くだけだが、心地よい風が慰めてくれる。
尾根道がつづく

途中のベンチでランチをすまし、ほぼ1.5時間で鋸山の麓に到着。選択肢は二つ。山頂に登るか、エスケープして御岳を目指すか。鋸山というだけあって、切り立った刃を登るかのような急坂だ。まあせっかく来たのだからここは登ってみるか。山頂から先、奥多摩駅へ下るか、尾根道をさらに歩き御岳まで行くか決めよう。急坂を息をきらせながら登り、鋸山山頂に達したのが1時45分。
鋸山への登り、かなりキツイ


ロングコースを選択

さあ、この先どうするか。奥多摩駅へは、ほぼ2時間で下れる。御岳を目指すとなると3時間の尾根歩き。どうする。いつも私はここで困難なルートを選んでしまう。御岳を目指すことにした。奥多摩駅方面を背に山頂から急坂を下り、御岳へのルートと合流。尾根満ちはゆるやかな登りの連続だ。御岳方面からは次々と奥多摩駅をめざす登山者が。なだらかな登りの連続をペースをあげて歩を進める。御岳手前の大岳山までとにかく早く達したい。
道に咲く白い花

やがて大岳山手前で登山道は御岳方面と、払沢の滝方面との分岐となる。ここまでくればもう一息。ここで私は大岳山をエスケープするため、払沢の滝方面へとルートを選ぶ。少し遠回りだけど、このルートは大岳山を大きく迂回しているのだ。やがて登山道は大岳山をまいたところで再度本ルート方面との分岐となる。しずかに道祖神が置かれていた。

道祖神、昔は街道だったのだろう


御岳神社に達する

大岳山をまいて、大岳神社で本ルートと合流。御岳は近い。鎖場をいくつか通過したところから整備された広い道となる。長いくだりが続く。遠くから法螺貝の響き。修行僧たちか。やがてロックガーデンなど、ハイキングコースからの人々と合流し、おなじみの長尾茶屋に達した。

長尾茶屋、ワインが美味しい

夕刻だというのに長尾茶屋にはまだ客が。ワインを食しているのか。もうここまでくれば御岳神社はすぐそこ。休まずに歩をすすめて、御岳神社を通り、ひたすらケーブル駅へ。


山門内側より

ケーブルの人となる

門前の茶屋街を抜け、宿坊街を抜け、ケーブル駅に達したのは16時。タイミング悪く、ケーブルはさきほど出たばかり。次のケーブルは30分後。ザックを下ろし、しばし休憩とする。見回すと登山者らしきものは私だけ。家族連れ、カップル、犬を連れた外人たちに混ざりケーブルの人となる。

ケーブルを待つ

最後にケーブルにお世話になったが、今日もロングコースを歩いた。あとで調べたら累積標高差は2000メートルの登り、距離15キロであった。月にいちど、これだけのロングコースを歩くとけっこうトレーニングになる。
夕暮れの奥多摩線に乗る





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