元旦は塔ノ岳
これは私の新年の恒例登山である。一年の計を山に誓うなんて聞こえがいいが、ようはいつもの道をいつもの時間で歩き、いつもの元旦を迎えるということ。山にとりつかれた者には相応しい恒例行事だろう。
6時48分、渋沢駅北口始発のバスに乗るもガラスキなので肩すかし。正月早々にグループ登山者はなく、殆ど一人できているからよけいに静かだ。下車早々、支度を調えいつもの登山道を登りはじめ、30分ほどで見晴茶屋を通過する。すると、いつもの餅つきの音。この音でこれまでの静寂から正月の晴れやかな気分に変わってきた。小屋の前では皆お酒を酌み交わしている。多分、年越しを一緒にしたのだろう。楽しそうな仲間たちに正月気分をもらい、いつものペースで登りつづけると、ご来光を拝んだ下山者達が次々に下りてくる。彼らはきっと夜中に登ったに違いない。いつものペースで山頂に達したのは11時。あいにく山頂は雲がかかり、見晴はなく、寒い。滞在時間もそこそこに下山開始。下りは小丸より二股に下る。途中から雪が舞い始め、渋沢駅に着いたときは辺りは真っ白になっていた。元旦の駅前は営業している店もなく、しずかな正月登山だった。
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元旦は単独行が多い。(大倉の尾根道で) |
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花立茶屋から相模湾 |
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塔ノ岳山頂は雲がかかっていて寒い |
1月25日、雪の大室山へ
仕事始め以来、新年会だの同窓会などで週末がつぶれ、山らしい山にいっていない。遠く丹沢を眺めると尾根は白くなっている。とにかく尾根まで行ってみよと、二日酔いに鞭打ちながら出発。雪山はやはり静かな雰囲気で歩きたい。ならば裏丹沢、ということで、今日は大室山を目指すことにした。登山口は神ノ川ヒュッテとする。ヒュッテから大室山へのアクセスは大きく二つ。県界尾根ルートと犬越路ルート。県界尾根ルートは道が不明なところがあるので下りに使うのは要注意。故に登りは県界ルート、下りは犬越路ルートとする。
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木漏れ日の杉林を登る |
神ノ川ヒュッテ横から県界尾根を目指して歩き初める。杉林の登山道にうっすらと雪があるものの、アイゼン装着の必要はない。眼に入るのはただただ杉の木だけ。単調な九十九折が続く。1時間半ほどで杉林を抜けると急に視界が開けた。思わず歓声を上げる。見渡すと向こうに真っ白な檜洞、蛭が岳がそびえている。風もなく、実に気持ちのいい陽だまりだ。二日酔い気分など吹っ飛んでしまい、ここまできたなら何としても山頂をと気を新たにする。
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杉林を抜け展望が開ける。手前右が檜洞、左奥が蛭ヶ岳。 |
暫し休憩の後(大福を食す)、いっきに県界尾根まで達し、そのまま山頂を目指す。
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県界尾根。右が山梨県、左が神奈川県。 |
ここからが今日の核心部である。道標もなく、道は判別しにくく、目印のテープもまばらである。幸いに踏み跡が一つ続いている。一面の銀世界だがアイゼンは付けず、ストックと木の枝を頼りに雪道を登り続ける。実に静かだ。サクサクと雪を踏む音だけが響く。格闘すること1時間で山頂に達したのはちょうど12時であった。
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山頂へ、冬枯れの木々が続く |
大室山は裏丹沢の雄
山頂には多くの登山者がいる。ここまで誰とすれ違うこともなく静かな登山を楽しんでいたが、急ににぎやかになってしまった。やはり大室山は裏丹沢の雄なのか。そいうえば奥多摩から見てもこの大室山はひときわ目立った存在である。
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山頂下のベンチで |
休憩もほどほどに、靴の紐を締め直し、展望を楽しみながらいっきに犬越路まで下り、避難小屋でランチをとる。犬越路からの下りはまた杉林となり、(日陰のためか)雪が凍結しアイゼン装着を余儀なくされ、神ノ川ヒュッテに下りたのは15時であった。冬のヒュッテは人影もなく渓流の音に包まれていた。
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急斜面の杉林を下る |
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