まずは過去の思い出


こんな遊びを始めたのはいまから7年ほど前。永井荷風や吉行淳之介の作品の舞台となった墨東エリアに残る旧私娼屈街を訪ね歩いたことから始まる。いずれも当時の繁華街である浅草から隅田川を渡り、奥まった場所にある。荷風も小説では目的もなく、喧噪をさけ、市電に揺られ達下りた駅が玉乃井だったと思う。荷風は玉乃井のなにに魅力を覚えたのだろうか。それはたんなるエロチズムなどではなく、そこに棲息する人々に戦争とは無縁な人間的な温かみを覚えたのだろうかなどと思いつつ、とにかく少しでもその街の空気に接してみようと思った。
鳩の街、2007年に撮影、往時の色が残っていた
東向島の路地にて


この街歩きを始めたころはカメラも持たずにただ散策をしたのだが、少しだけ撮影した記録が残っていた。
このエリアを散策するならやはり浅草から歩くべきだというのが私の持論である。浅草の北が吉原であり、隅田川を渡った東側が向島。どこも浅草と対峙させて見なくてはいけないと思う。
鳩の街入り口、アーケードの上に鳩の模様

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