紅葉の仙丈ヶ岳、甲斐駒ケ岳


紅葉の南アルプス、仙丈岳、甲斐駒ケ岳


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2012年10月6日7日、南アルプスに今年最後の山歩きに行ってきました。
もちろん目指すは紅葉に包まれた南アルプス。
7月の海の日に新緑の北岳に登ったので、今回は紅葉の仙丈と甲斐駒を登ることにした。
泊まりは南アルプス林道に面した太平小屋に予約済み。
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(海の日、大樺沢から北岳へのアプローチ、奥が北岳)

10 月5日の18時、仕事を終えてそのまま芦安温泉の駐車場まで車を走らす。町田→八王子インター→昭和甲府インター→芦安温泉まで約3時間の運転。芦安温泉 の登山者用駐車場にはすでに多くの車がとまっている。甲府昭和インターを出たところのコンビニで買った弁当とワンカップで食事をすませ、そのまま車中泊。 翌朝4時すぎに起床。前夜の静けさとは逆に車から這い出た登山者が忙しそうに支度を始めている。5時半の始バスに乗り、芦安→広河原→北沢峠へと向かう。 なんとバスは全部で6台。さらに乗り合いタクシーも続々と出発した。まるで前線に向かう輸送部隊の車列のようだ。運賃は北沢峠まで1850円也。

北 沢峠に7時着。直前まで仙丈と甲斐駒のどちらを先に登るか迷っていたが、紅葉が楽しめそうな仙丈を先に登ることにした。コースは長衛荘→小仙丈→仙丈→馬 の背ヒュッテ→大平小屋。皆同じバスで到着したので登山道は続々と人が続く。長丁場のためペースを遅くした小生はどんどん後から続く登山者に追い抜かれて いくが、あせらずにマイペースを維持。結局のところ各ポイントで小生を追い抜いた登山者と一緒になり、山頂まで殆ど小生と時間差なく一緒に歩くことにな る。


5合目への激登りを登ると森林限界を越し、いっきに眺望が開ける。背を見ると明日登る甲斐駒ケ岳、左には夏に登った北岳、前を見ると小仙丈、右には帰りに下る馬の背ヒュッテが紅葉に包まれて見える。
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(後ろに見える甲斐駒ケ岳、白く見えるのは花崗岩)
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(前をみると小仙丈への登り)
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(右には帰りに下る馬の背ヒュッテが見える)
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(左には雲に隠れた北岳と間ノ岳。手前は仙丈からのカール)

こ の辺からは空気も薄くなるので息切れがきつい。同程度の標高差は丹沢で慣れているのだが、標高と酸素濃度の関係を身に染みて感じる。確か標高3000だと 酸素濃度は麓にくらべ70%程度になるとのこと。さらにペースを落とし(って言うか遅くなってしまう)ゆっくりと登り続け小仙丈を越すと、小さなコブの向 こうに目指す仙丈が見えてくる。このコブを右に巻くトラバース道から下を見ると仙丈小屋が見える。
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(トラバース道より見下ろす仙丈小屋)

この尾根から見下ろす仙丈小屋へのカールはまるで巨大なスベリ台のようだ。足を滑らすと底まで止まることなく転がってしまうこと間違いなし。見事というか、怖いというか、美しいというか、いろんな思いが交錯する。

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(大混雑する仙丈山頂)

山 頂は大変な混雑。数々の党派闘争を勝ち抜いてきた共産党の不破委員長ですら初めて仙丈から南アルプスの山々を見て、「これは病みつきになるかも」と感化さ れてしまったのはここ。これから不破は南アルプスを全踏破することになる。(「私の南アルプス」をご一読を)。しかし小生は空腹と混雑のため不破みたいな 感傷には至らず、記念撮影もそこそこに仙丈小屋に下りることにした。

仙丈小屋でランチ。小生のランチはいつも紅茶で パンとチーズ。紅茶はアルコールバーナーで沸かす。単独行のときの湯沸しはアルコールバーナーとシェラカップと決めている。このセットはコンパクトでい い。アルコールの優しい柔らかな焔は心が温まるし、案外と火力は強い。一人分の紅茶なら数分で沸く。

靄もかなりでてきたので、食事もそこそこに下ることにする。登ってきた尾根を対面に眺めながら馬の背ヒュッテを目指す。ヒュッテから先は沢沿いの道をひたすら下り大平小屋へ。山荘からは16時までに到着してと言われていたので時間を気にしながら下る。
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(馬の背ヒュッテへの尾根道から振り返る。左手前が小仙丈、奥が仙丈)
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(同じポイントで、対面の登り尾根道を撮る。どちらも稜線に小さく登山者が見える)

太 平小屋には15時半着。すでに多くの宿泊客がいた。殆どの宿泊者は小生と同じ甲斐駒と仙丈のセットの計画で、しかも甲斐駒から登ったとのこと。理由は甲斐 駒のほうがきついからだと。明日は仙丈をのんびりと登るなどと言っている。大平小屋は小さな小屋だけど予約者以外は宿泊できないので、スペースも確保さ れ、ゆっくりと眠ることができた。ただトイレが男女共用なのがつらい。でるものもでないって感じ。19時半には実質消燈時間となる。
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(大平小屋前の自炊組、美味しそうな焼肉パーティーでした。仲間に入りたいなあ)
コースタイムと標高データ
長衛荘7:10(2036m)→小仙丈11:30(2855m)→仙丈岳11:50(3032m)→仙丈小屋12:15(2880m)ランチ12:45→馬の背ヒュッテ13:15(2633m)→20分休憩→大平小屋15:30(1957m)

翌 朝は4時起床。外に出てみると小雨模様。登るべきか迷ったけど、雨は止むとの情報だったので小雨のなかヘッドライトをつけ甲斐駒へ出発。たしかに雨は止ん だが、靄に包まれた樹林帯をひたすら登る。つまり殺風景な辛い登りだけ。結局、写真は殆ど撮らず。ただ、駒津峰で雷鳥をみかけたのでその時だけザックから カメラを出した。
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(雷鳥が一羽、どこにいるか判りますか)

悪 天のため前日の仙丈とは打って変わり甲斐駒への登りはただただきつい。岩場では渋滞するし、最後の山頂への殺風景な砂礫の道はまさに信心でもなければ登る 気はしないというのが率直な印象。昔、修験者が歩いた訳を小生なりに理解できた気がする。現在は100名山教の信者が来ているのだろうか。が、一度の体験 でそこまで言い切るのは失礼とも思うので、いつか天候に恵まれたときに再訪してみようかな。どうせ再訪するなら標高差2000を二日で登る黒戸尾根ルート と決めた。
結果論だが、天気に恵まれた仙丈を先に登ったのは正解ということか。
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(霧に包まれた甲斐駒山頂)

コースタイムと標高データ
長衛荘5:40(2036m)→双子山7:45(2649m)→駒津峰8:45(2741m)→山頂10;15(2965m)→30分休憩→駒津峰11:50(ランチ)→双子山13:00→長衛荘14:10
北沢発15:30発のバスに乗る予定だったが臨時便が14:30に出た。ラッキー!芦安温泉で温泉に入り21時に帰宅。

南 アルプスの紅葉はご覧のとおりまさに黄葉でした。ナナカマドもオレンジに近い黄葉です。これは年によって異なるのか、例年のことなのか。馬の背ヒュッテも この連休で閉めるとのこと。結局、小生の今年の登山シーズンは新緑の南アルプスに始まり黄葉の南アルプスで閉めたということになりました。来年の南アルプ スは黒戸尾根から駒ケ岳、北岳から白峰三山などと思いを膨らませています。更にできればテント泊などと老いを忘れています。そのためには20キロを担いで 2時間歩行訓練、、、いやいやそれよりも仕事しろよーって声が聞こえてきます。

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