丹沢ブナ林探訪

丹沢山塊は標高1000メートルを超えた辺りからブナの木が見えてくる。
そのブナ林が見事に残っているのが檜洞から石棚山にかけての尾根道だ。
2017年6月17日、その尾根道を歩いた。

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朝7時半、中川温泉の奥、箒沢から石棚山を目指す。
始発バスより早く登山口に到着したので登山者の姿は見えない。
登山道に渡る橋の下から沢音が山並に響く。
今日は少し長いコースであることに加え、再発した膝痛のためペースを落として歩くことにする。
杉林に朝の光が差し込む

登山道はやがて沢から離れ、尾根に向う。
ここからは急勾配とアップダウンの繰り返しだ。
少雨のため乾いたザレ場を慎重に脚を置きながら登る。
登山道は所々で山肌を深く切り込み、露出した岩肌が痛々しい。
ゆっくりペースを保ちながら歩くと膝痛でも登れるものだ。
それに息切れもしない。
年寄りにはこの程度のペースがいいことを実感。
やがて最初のピークやぶ沢の頭に達し、小休止。

荒れた登山道


やぶ沢の頭は檜洞までの中間点になる

もうここはブナ林の中だ。
登山道は白いブナの肌と緑の葉に囲まれている。
ここから檜洞までは小さなゆるい尾根道だ。
さあ、ブナ林を歩くぞ。

登山道はブナ林を縫うように

蔦に寄生されたブナ


奥に進むにつれブナの大木も見えるようになってきた。
小鳥の囀りが林に響く。
春に孵化した小鳥たちの巣立ちの歓声か。
緑のブナ、小鳥たち囀り、静かな林に生命のこだま。
やがて尾根道が大きく削り取られてる現場と出会う。
下を見下ろすと山肌が大きく削り取られている。
地肌がむき出しになった斜面の姿が痛々しい。
大崩現場
丹沢はいま崩れつつある。
山の命はブナの命より大きくて長い。
やがてこのブナの尾根も山の崩れに飲まれていくことだろう。

ブナの老木とコケ


前方に檜洞が見えてきた。
スタートして5時間、はじめて檜洞方面からの登山者とすれ違う。
彼もカメラを手にブナを眺めているので、しばしカメラ談義。
この鹿柵が邪魔といっていたが、もっともだ。
人工的な鹿柵はブナ林には似合わない。
尾根道から畦ヶ丸を見る
山頂手前の木道

登山道はやがてメインルートである「つつじ新道」と合流し600メートルで山頂へ。
山頂では数人の登山者が休んでいるだけ。
数週間前まではつつじを観る登山者が溢れていたはず。
ツツジが終わるとこうも静かになってしまうのか。
持ってきたパンを食べながら大休止とする。
パンは腐敗しにくいので夏山のランチに適していると思う。
静かな山頂

ツツジシーズン時期の山頂は大賑わい

山頂の倒木

帰りはつつじ新道を下り、西丹沢自然教室へ。
教室の周りではバーベキューに来た人々が音楽を鳴らしながら歓声をあげている。
ここで音楽を流すことだけはやめてほしい。
やがてデポした車に到着したのが16時。
標準コースタイム6時間のところほぼ8時間の歩きであった。
こんなゆっくり歩きもいいものだ。
ツツジ新道の木段

翌日には膝痛が悪化してるかと覚悟していたが全く痛くならなかった。
歩き方一つで膝痛は克服できることを実感。




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