鳥海山再訪

2018年8月鳥海山

袚川ヒュッテから鳥海山

夏休みは用事を兼ねていつも宮城県の親戚宅に滞在する。
その宮城滞在を利用してこれまで東北の山々を訪ねてきたのだが、さて今年はどうするか。
焼石岳、岩手山、早池峰山、和賀岳、、、、
どの山も個性的で魅了するものがある。残念なことに今年はひとつだけを選ばなくてはいけない。
実に悩ましい。
出発まで迷いに迷ったが、ここは鳥海山に登ることにした。
東北の山では珍しく標高が2000を越していることと、晴天が約束されていることが選択の理由。
きっと山頂から日本海を見下ろせることだろう。

鳥海山は以前に日本海側から登ったことがある。鉾立から日本海を背に山頂を目指した。あの時はまだ山登りをはじめたばかりで、高山植物にもあまり関心がなかった。ただただ鳥海山の山頂を目指した。
今回は秋田側から登る矢島ルートで登ることにした。
内陸側から登るので雪渓も残っている。
今回の記録

8月12日前泊

夕刻に祓川ヒュッテに到着。すでにここはルートの五合目である。大きな駐車場の側に由利本荘市市営の祓川ヒュッテがある。シーズンは管理人が常駐している。きっと登山者で混んでいる事だろうと想像していたが、宿泊者は私を入れて2グループだけ。おかげで大きな部屋を一人で使わせてもらった。炊事設備、トイレ、寝具、すべて申し分ない。それに冷えた缶ビールが300円だと。信じられない。飯豊連峰では1000円だ。
ヒュッテは登山ルートの5合目に位置し、目の前に竜ヶ原湿原が広がる。
夕食は神奈川県からきたという同宿のグループと歓談しながらインスタントラーメンを食べる。彼らからワインの差し入れ。ありがたくいただく。
ヒュッテと鳥海山、手前に竜ヶ原湿原

夜中は星空の見物だ。流星群が見えるとのこと。消灯となったヒュッテから外に。見上げると一面に星空が。一面の星の海を流れ星がいく筋も。宇宙の生命を感ずる。

8月13日登山

朝5時、出発。
ご来光を背に早朝の湿原を渡る。
この広い湿原を歩いているのは私だけ。
湿原を渡り終えると祓川神社がある。小さな社、質素な佇まい。
さあ、ここからいよいよ登山道は鳥海山に向かって登りとなる。幾年にもわたって使い慣らされた歩きやすい登山道だ。まだこの辺は森林限界を超えていない。道の両側には赤いナナカマドの実が。もう秋の気配。
祓川神社上からヒュッテを見返す

登山道の両側にはナナカマドの赤い実が

沢沿いの登山道を登りきるとそこに雪渓が広がっていた。まだ早朝なので堅い。慎重に雪渓を登りさらに登り続けるとつぎにあらたな雪渓が。標識には「御田」とある。雪渓の先端から雪融けの水が田んぼのような湿原を潤し一面に白い花々が咲いている。「御田」とはこの湿原のことなのだろうか。小休止のあと、雪渓沿いの踏み跡を登る。見上げると鳥海山の頂上が。まずはこの先にある七ツ釜避難小屋まで登ること。
やがて沢道より尾根に達したところに避難小屋があった。入口はロープで塞がれており使用禁止。この小屋は山頂までの中間点。ここで小休止だ。ここまでのんびり一人歩きであったが、休んでいる間に後続の登山者に追いつかれてきた。
この雪渓を登る


御田の脇を登る

このあとすぐにルートは大雪路と康新道との分岐点に。私はメジャーな大雪路を選ぶ。多くの登山者もこのルートを選択しているようだ。そろそろ森林限界も抜けた。見上げると山頂が目の前に、そして後ろを見下ろすと一面の雲海が広がる。ここは天上の世界だ。
天上の世界を登る

急斜面のお花畑

まわりの草原には色とりどりの花が咲いている。その花々に迎えられながらさらに高度を上げる。やがて九十九折の登山道に青色のキキョウがおじぎをして登山者を迎えてくれる。

天上に咲くチシマキキョウ

これら花達の間を抜けて高度をあげていくと溶岩のガレ場となる。七高山山頂に向かって直登だ。山頂に立つ人々もはっきりと見えてきた。このガレ場を慎重に登り切り山頂に達したのは9時。ほぼコースタイムで歩いたことになる。山頂の向こうには日本海が。そしていつかきたことのある山荘が眼下に見えた。これで過去と今がつながったような気がした。
七高山山頂直下はこのようなガレ場の登り。その向うには日本海。



ピークより遠見


七高山は鳥海山の外輪にあるいくつかのピークのひとつ。目の前には中央火口の新山が見える。一旦この外輪より降りてから登らなければならない。ここより少しだけ標高が高い。まあ新山は前回に登ったし、今回はここに山頂(七高山)の立派な標識があるので、しばし見納めの日本海を見てこれで下りることにした。

花々






0 件のコメント:

コメントを投稿