さくさくと落ち葉を踏んで川苔山

今回はすべて私のガラケーで撮影。

11月となって紅葉前線はどんどんと標高を下げている。先週は標高1400メートルの加入道山に登ったがもう葉は落ちていた。多分、いまごろは1000メートル前後が見ごろと、奥多摩の川苔山に登った。この山に登ったのはいまから50年も前、高校2年のときだ。今日と同じ鳩ノ巣駅から登った記憶がある。6時半、鳩ノ巣駅近くの無料駐車場に車をデポ。踏み切りを渡り川苔山を目指す。

雨上がりのいい天気。昨日まで小雨の降る日が続いた。久しぶりの晴天だ。靄の立ち込める杉林を歩く。道は途中3差路で本仁田山方面と、川苔方面とに分かれるが、その川苔方面の道を見つけるのにウロウロしてロスタイム。ようやく道を発見して、いっきに川苔山を目指す。相変わらず杉林がつづく。展望もない。立ち込める朝靄が乱反射して光の筋を描き出す。どうも山頂近くまでこの道は続くみたい。もうひたすら歩くしかない。休憩も取らずにどんどんと歩き、川苔山直下の船井戸に出たのが9時半。3時間半のコースタイムを2時間半で歩いてしまった。あまりにもの速さに自分でもびっくりした。
新しい落ち葉が登山道を覆う

ここからは紅葉に囲まれた山頂エリアだ。木の間から川苔山が見える。そうだ50年前に見たあの川苔山の姿だ。リーダーが地図を広げて「あれが川苔山だ」と指差したあの川苔山の姿と同じだ。まさしくここで彼は地図を広げたのだ。
昨日までの雨天も影響か登山道は新しい落ち葉に覆われ、サクサクと気持ちのいい音が響く。リズミカルに音をならし、いっきに山頂に登りつめたのが10時。誰もいない。雲取山方面、御岳方面、蕎麦粒山方面、広角に見事な展望が広がる。愛機のカメラを持ってこなかったことを悔やむ。先月歩いた酉谷山に続く長沢背陵もはっきりと見える。
誰もいない山頂

独占していた山頂も10分ほどの休憩中にどんどんと登山者が到着。やはり人気の山だ。私は今日は15時までに奥多摩駅に下山して金達夫さんの講演を聴くことにしている。故に下山先は奥多摩駅。彼は長年奥多摩で遭難救助に携わってきた人で、本も何冊か書いている。
そろそろ下るとするか。登ってきた登山道を少し下ると奥多摩駅方面への分岐点にでる。「危険」との警告板が出ている。ちょっと物足りなかった登りだったので、むしろ歓迎だ。地図を見ると奥多摩駅方面に途中本仁田山などいくつかのピークを超える長い尾根道である。最初の小さなピークを超えると、いきなり高度感のある急下りとなる。アップダウンの繰り返し。まさに「危険」な下りだが慎重に下れば問題ない。むしろ下り途中から見える前方の見事な紅葉に感動。
前方が本仁田山。きついアップダウンがつづく。

山々は見事な秋の彩りに輝いている。この尾根を下りに選んで正解だ。すれ違いの若者たちも「やばいぜ」と言いながらカメラのシャッターを押していた。若者たちとの美しさへの共感と言葉使いへの違和感が混在。「危険」との対価に満足しながら歩をすすめ本仁田山に到着したのが12時半。けっこう時間を要した。登りのあのハイペースは何だったのか。本仁田山には紅葉ハイクのハイカーが大勢休憩をとっている。楽しそうな声を聴きながらランチ。そして急坂を下り、奥多摩駅にでて、金さんの講演を聴く。
奥多摩駅そばを流れる日原川

金さんの警告によると遭難者で一番多いのは「高齢、男性、単独」の3点セットだそうだ。聴講者の中に登山者らしきものは私一人。誰が見ても私は「高齢、男性、単独」だ。聴講者の目線を感じながら最後まで実直な金さんの講演を聴く。思い出、紅葉、学習、実りの多い一日だった。帰りは車中でラフマニノフのシンフォニー2番を流す。秋の夜が暮れていく。

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