秋山郷を囲む山々


地図下側が秋山郷、上側が甲州街道

2019年5月18日


静かな四方津駅から大地峠へ


秋山郷は道志の北側に位置し、周りは赤鞍岳、二十六夜山、倉岳山、高柄山に囲まれた里である。二十六夜山には明治に祭られた「二十六夜塔」があるので歴史は古い郷である。いまは中央線藤野駅と秋山郷無生野を結ぶバスが一日数本あるだけなので登山拠点としては誠に不便である。
周りは大きな山もないのでこれまで訪れる機会もなかった。山菜探しを兼ねて二十六夜山、つづいて上野原駅から高柄山と連続して歩いてみた。思い通りどの山も登山者は少なく静かな山歩きが楽しめた。今回は最後の〆として大地峠から倉岳山まで歩いた。
四方津駅、下車したハイカーは私だけ

今回は前回歩いた尾根を続けて歩くことにした。出発は午前8時、四方津駅。前回は高柄山から新大地峠を経由してこの駅に下山した。まずはその新大地峠に登り返し、尾根伝いに倉岳山を目指す。駅から静かな朝の里を抜け登山口へ。歩いているハイカーは私一人だけだ。登山口では三脚に大きな望遠レンズをつけた写真マニアがいた。レンズの方向を見ると山の麓を走る中央線が見える。山懐にトンネルと鉄橋の連続だ。典型的なトリテツたちの撮影ポイント。少し会話を交わす。
ビューポイントで佇むトリテスさん

ここからは山道とはいえ明らかに秋山郷へ抜ける峠道だ。道幅も広いし馬頭観音もある。昔は馬喰たちがこの道を通ったにちがいない。前回はスミレが咲いていた。今回は赤い山ツツジと白いウツギが咲いている。背中に中央線の音を聞きながら緩い傾斜の峠道を登る。
馬頭観音、寛政とある

広い登山道、秋山郷に至る道

大地峠から尾根歩き

途中小休止をとりながら登りつめると新大地峠に達する。大地峠とは秋山郷の「大地」へ至る峠道。ここで尾根道とクロスする。左が高柄山、右が矢平山、倉岳山。迷うことなく右に進路をとり、歩くこと20分で旧大地峠にでる。キンランが一輪輝いていた。そしてそのまま矢平山を登りつめる。
新大地峠、ここは旧街道ではない

旧大地峠、この先峠道は秋山郷へ下るが崩落して不明瞭

矢平山には三角点がある。新緑の広葉樹に囲まれた山頂。ところどころに赤いヤマツツジが咲き初夏の模様を織り成す。あと一週間もすればヤマツツジは満開か。小休止のあと尾根伝いに進むとかなり厳しい急斜面となる。小さなピークだけどこんな急斜面があるとは。ここは補助ロープの世話になりながら慎重に下る。岩の間に咲く青い小さな花が緊張を緩めてくれる。静かな尾根道で緊張と安らぎが交錯する。
手製標識

赤と緑のコントラスト
木々の間から里を見下ろしながら歩く


小ピークを巻きながら尾根伝いに進むと寺下峠となる。ここから中央線梁川駅に下る事もできるが今日はこのまま先に進む。峠から少し登ると船山。なだらかな広い山頂。ここではじめてハイカーグループと会う。ヤマツツジを愛でながらランチを取っている。私も少し離れたところでランチを取る。楽しそうな会話が聞こえてくる。花は人々を饒舌にするのだろうか。
手製
手製

このような倒木があちこちに


一人ランチをすませさあ出発だ。この大地峠から倉岳山にかけては有名なピークがあるわけではないのでよけいに歩く者は少ない。そんな静かな尾根で木々の花や足元の小さな花、小鳥の囀りを聞きながらのんびり歩き。小さなピークをいくつか超えるとやがて立野峠にでる。
立野峠標識、左に下ると秋山郷、右に下ると梁川駅、直進が倉岳山

倉岳山への登り

倉岳山を経由して鳥沢駅へ下山

この先は倉岳山、右に梁川駅。前回は高畑山から倉岳山を回りこの立野峠から梁川駅に下りた。これで前回ルートと繋がったわけだがこのまま倉岳山を登って見ることにした。急斜面を登り詰めると誰もいない倉岳山の山頂広場にでた。ここは富士のビューポイント。前回は多くの人で賑わっていたのだが。今日は富士も見えないし人もいない。ひとり霞んだ山々を眺め、地図を広げて下山ルートを確認。1640分鳥沢駅。
誰もいない午後の倉岳山

下山途中でであった「夫婦杉」。標識が半分かけているから離婚したのか

小篠貯水池、水も山も緑一色

出会った花たち
ガクウツギ

クサノオウ

マルバウツギとヤマツツジ

キンラン

シソバナタツナミ

チゴユリ

ニガヤ

フタリシズカ

ヤマブキソウ






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